2026年10月現在、日本代表のサイドバック争いは、北中米ワールドカップを経て新たな局面に入った。右SBではサンフレッチェ広島の中野就斗、左SBではFCコペンハーゲンの鈴木淳之介が存在感を示し、欧州組の実績とJリーグ組の台頭が交差している。さらに、伊東純也を右SBに配置するという異例の采配も登場した。
注目すべきは、単純に「誰が一番うまいか」だけでは序列を判断できないことだ。森保ジャパンは3バックと4バックを使い分けており、サイドの選手に求められる守備範囲や攻撃参加の方法も変わる。2026年W杯の登録メンバーと大会後の招集状況、10月5日のニュージーランド戦を手掛かりに、最新の候補、スタメン争い、人材層の課題を整理する。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 右SBの現状:10月のニュージーランド戦で先発した中野就斗が、4バックでの有力候補として浮上。
- 左SBの現状:同試合で先発した鈴木淳之介がアピール。伊藤洋輝はセンターバックを含む複数の役割を担える。
- 伊東純也の起用:右SBでの途中出場は攻撃の選択肢を増やす戦術的な試みであり、レギュラー定着を意味するものではない。
【2026年最新】日本代表サイドバックの序列は右と左でどう違う?
2026年10月26日時点の序列を考えるうえで、最も重要なのはワールドカップ前後のメンバー構成の変化だ。日本は6月から7月に開催された北中米ワールドカップでラウンド32まで進出したが、6月29日のブラジル戦に1-2で敗れた。大会後の代表活動では、次のアジアカップや新たなチームづくりを見据えた選手選考が始まっている。
日本サッカー協会(JFA)が公表した2026年9~10月の招集メンバーと、10月5日のキリンカップ決勝を照らし合わせると、4バックでの現状は比較的明確だ。右SBでは中野就斗、左SBでは鈴木淳之介がニュージーランド戦で先発。ともに実際の試合で役割を与えられ、現在の戦術に適応する機会を得た。
ただし、代表の公式な序列が順位表として発表されているわけではない。ここでいう最新序列は、直近の招集状況、実際の起用、ポジション適性を基にした暫定的な評価だ。3バックを採用する試合ではウイングバックの適性も加味する必要があり、4バックの先発経験だけで全てを判断することはできない。
右SBは中野就斗を軸に欧州組の復帰や若手の台頭を待つ構図、左SBは鈴木淳之介を中心に複数ポジションをこなせる選手を組み合わせる構図が、現時点での見取り図となる。
【右SB・左SB候補を比較】欧州組とJリーグ組の現在地
サイドバックの候補を比較するときは、所属リーグの知名度だけでなく、代表で実際にどの位置を任されたかを見る必要がある。2026年W杯の登録メンバーには長友佑都、菅原由勢、伊藤洋輝、鈴木淳之介らが名を連ねた。一方、大会後の9~10月シリーズでは顔ぶれに変化が生じている。
| 選手 | 所属・主な役割 | 2026年の評価材料 |
|---|---|---|
| 中野就斗 | サンフレッチェ広島/右SB候補 | 10月5日のニュージーランド戦で右SBとして先発。Jリーグ組の有力候補。 |
| 菅原由勢 | ブレーメン/右SB候補 | W杯登録メンバー。ブンデスリーガでの経験を持つが、9~10月シリーズの招集メンバーからは外れた。 |
| 望月ヘンリー海輝 | FC町田ゼルビア/右サイドの候補 | 9~10月シリーズの当初の招集メンバーに含まれたが、9月29日に離脱。今後の招集と実戦機会が注目点。 |
| 鈴木淳之介 | FCコペンハーゲン/左SB・CB候補 | 10月5日のニュージーランド戦で左SBとして先発。守備と攻撃参加の両面でアピールした。 |
| 伊藤洋輝 | バイエルン・ミュンヘン/左利きの守備者 | W杯登録メンバーで、10月のニュージーランド戦ではCBとして先発。左SBを含む複数の守備配置への対応力が強み。 |
| 長友佑都 | FC東京/左SBの経験者 | W杯登録メンバー。大会後の9~10月シリーズでは招集メンバーから外れ、世代交代を考えるうえでの節目となった。 |
右SBの中野は、Jリーグで培った実戦感覚を代表の舞台で示す機会を得た。10月5日の試合では攻撃時に内側のレーンを使う場面もあり、単にタッチライン沿いを上下するだけではない役割が与えられていた。今後の競争では、相手のプレスを受けたときの判断や、攻撃参加後に素早く守備へ戻れるかが評価を左右する。
菅原は欧州での経験を持つ右SB候補だが、W杯に選ばれた実績と、直近の代表活動で起用されているかどうかは別の評価軸だ。大会後の招集から外れた事実だけで序列が確定したとはいえないものの、現在の代表で定位置を確保していると判断する材料も不足している。
左SBでは、鈴木淳之介が直近の4バックで先発した点が大きい。伊藤洋輝も貴重な左利きの守備者だが、10月のニュージーランド戦ではCBを務めている。左SB専門の選手と、最終ラインの複数ポジションをこなせる選手を同じ基準で比較しないことが重要だ。
欧州組とJリーグ組の対立として見る必要もない。欧州のクラブで経験を積んだ選手は異なる戦術や高強度の試合に触れられる一方、Jリーグ組には国内での継続的な出場を通じてコンディションや連係を磨ける利点がある。代表でどちらが優位になるかは、監督が求める役割と、その時点の選手の状態によって変わる。
【3バックと4バックの違い】サイドバックとウイングバックは何が違う?
日本代表のサイドバックを評価する際、最初に理解しておきたいのが3バックと4バックの違いだ。どちらもサイドの攻守を担うが、守備時の立ち位置や攻撃参加のタイミング、背後をカバーする選手との関係が異なる。
4バックのSBは、サイドの守備と後方のカバーを担いながら攻撃に加わる選手だ。相手のウイングに対する1対1、クロスを上げさせない対応、センターバックとの距離管理が欠かせない。攻撃時には外側を追い越すだけでなく、中央に入ってパス交換やビルドアップに参加することもある。
一方、3バックのウイングバックは、タッチライン沿いの広い範囲を一人で担当する役割になりやすい。攻撃時には高い位置を取り、守備時には最終ラインまで戻って5バックを形成する。長い距離を繰り返し走る運動量に加え、前後の状況を読む判断力が要求される。
この違いは、選手の評価にも直結する。4バックで守備の安定感を見せる選手が、3バックでも同じように活躍できるとは限らない。反対に、ウイングバックとして攻撃力を発揮する選手が、4バックで相手のカウンターを一人で抑えられるとも限らない。
2026年10月5日のニュージーランド戦は、その違いを考える材料になった。JFAのマッチレポートによると、日本は直前のエクアドル戦までの3試合で3バックを採用していたが、ニュージーランド戦では4バックでスタート。最終ラインには右から中野、瀬古歩夢、伊藤洋輝、鈴木淳之介を並べた。
この試合では攻撃時にサイドの選手が内側のレーンを使うなど、配置を工夫する場面もあった。一方、相手の攻撃に切り替わった際には守備の人数が不足し、失点につながる課題も表れた。フォーメーションを変更するだけでは問題は解決せず、ボランチやセンターバックを含めた全体の連係が必要になる。
つまり、3バックと4バックのどちらが優れているかという単純な比較ではなく、相手や試合展開に応じて役割を変えられるかがポイントだ。今後のスタメン争いでも、両方のシステムでプレーできる選手は選考上の強みを持つ。
【伊東純也の右SB起用】攻撃を変える切り札か、それとも一時的な策か
2026年10月5日のニュージーランド戦で話題になったのが、伊東純也の右SB起用だった。日本は1-1で迎えた後半19分に中野就斗に代えて伊東を投入。伊東は本来の攻撃的なポジションとは異なる右SBでプレーし、右サイドから攻撃の活性化を図った。
試合は上田綺世が前半28分に先制した後、32分に同点とされ、後半26分に堂安律が決勝点を挙げて日本が2-1で勝利した。JFAの公式マッチレポートと試合後の報道からも、4バックへの変更と伊東の起用が、この試合の戦術的な注目点だったことが分かる。
日刊スポーツなどの報道によると、森保一監督は伊東を右SBで起用した狙いについて、攻撃に厚みとバリエーションを加えることを挙げた。3バックではシャドーとウイングバックの関係で連係してきた伊東と堂安を、4バックでも組み合わせる発想だ。右サイドで相手を押し込み、攻撃の選択肢を増やすことが意図されていた。
ただし、伊東の起用をそのまま「右SBの新レギュラー誕生」と解釈するのは早い。報道では、監督自身も今後4バックを継続する場合に伊東を同じ位置で使うかどうかは状況次第だと説明している。今回の起用には、戦術の幅を広げるためのテストという意味合いがあった。
伊東の武器は、スピードを生かした突破、縦への推進力、クロスやチャンスメークだ。攻撃力を重視する展開では相手の守備陣に負担をかけられる一方、SBとして継続起用するなら、背後を突かれたときの対応、相手ウイングへの守備、ポジションを離れた後のリカバリーも検証しなければならない。
したがって、伊東純也の右SB起用は、通常の序列を置き換えるものというより、試合を動かすための戦術的な選択肢と考えるのが妥当だ。日本代表にとっての価値は、伊東をSBに固定することではなく、攻撃的な選手の特長を生かしながら、守備のリスクをどこまで管理できるかにある。
【歴代比較と人材難の真相】日本代表SBに本当に足りないもの
日本代表のサイドバックを歴代選手と比較すると、長友佑都、内田篤人、酒井宏樹、加地亮らの存在が浮かぶ。彼らはそれぞれ異なる時代に代表の右サイドや左サイドを支え、守備の安定感、攻撃参加、国際舞台での経験を積み重ねてきた。
長友は長期間にわたって左SBを担い、豊富な運動量と対人守備で存在感を発揮した。内田は右SBとして守備の判断と攻撃の連係を磨き、酒井宏樹はフィジカル面と守備の強さを武器にした。加地も右SBとして代表で実績を残している。
こうした選手と現在の候補を比較するとき、単純に「昔の方が優れていた」と判断するのは適切ではない。過去の代表で主力を務めた選手にも異なる特徴があり、現代のSBにはビルドアップや中央への進出、相手のカウンターを抑える判断など、より複雑な役割が求められる場面が増えている。
日本代表のサイドバックに人材難があるとすれば、候補者の人数が少ないことだけが理由ではない。むしろ、攻撃力、対人守備、ポジショニング、運動量、複数システムへの適応力を高い水準でそろえる選手が、どれだけ継続して出てくるかが問題になる。
3バックが中心になると、ウイングバックとして攻撃参加できる選手が重宝される。一方、4バックに戻れば、サイドの背後を守りながら攻撃にも参加する能力が問われる。チームの戦術が変われば、同じ選手でも長所が評価される場面と、弱点が表れやすい場面が変わる。
欧州5大リーグでプレーしているかどうかも、判断基準の一つにすぎない。伊藤洋輝はバイエルン・ミュンヘンでプレーする左利きの守備者だが、代表のニュージーランド戦ではCBを務めた。菅原由勢はブンデスリーガでの経験を持つ一方、9~10月シリーズの招集メンバーからは外れている。所属リーグだけを見ても、代表での現在の序列は分からない。
反対に、Jリーグ組の中野就斗は10月の代表戦で右SBとして先発した。所属リーグのブランドより、代表の戦術に合ったプレーを実際に示せるかどうかが重要だ。鈴木淳之介も左SBで先発し、欧州での経験を代表の実戦につなげる機会を得ている。
若手有望株を見極める際は、攻撃参加の回数やクロスの精度だけでなく、ボールを失った直後の反応、相手の逆サイドから攻められたときの位置取り、CBとの連係にも注目したい。華やかな突破が少ない試合でも、守備の危険を未然に防いでいる選手はチームにとって価値が高い。
2026年W杯後の日本代表に必要なのは、過去のレジェンドと同じタイプの選手を探すことだけではない。中野のように代表で新たな役割を経験する選手、鈴木淳之介のように複数の守備位置を担える選手、欧州で経験を積む選手が競い合い、システムが変わっても機能する選択肢を増やすことだ。
【日本代表サイドバック】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年10月現在、日本代表の右SBの有力候補は誰ですか? A1:直近の4バックで先発した中野就斗が有力候補です。菅原由勢もW杯登録メンバーに選ばれた実績を持ちますが、9~10月シリーズでは招集されていません。今後の序列は招集状況や実戦での起用によって変わります。
Q2:日本代表の左SBは誰がレギュラーですか? A2:10月5日のニュージーランド戦では鈴木淳之介が左SBで先発しました。伊藤洋輝は左利きの守備者として複数の役割を担えますが、同試合ではCBとして起用されています。固定的なレギュラーが確定したと判断するには、今後の試合も見る必要があります。
Q3:伊東純也は今後も右SBで起用されますか? A3:継続起用が決まったわけではありません。10月のニュージーランド戦では攻撃に厚みを加える狙いで起用され、右サイドの攻撃を活性化させました。今後は相手や試合展開に応じた戦術的な選択肢になる可能性があります。
Q4:3バックと4バックでは、どちらが日本代表のサイドバックに向いていますか? A4:一概には決められません。3バックのウイングバックには広い範囲を上下する運動量と攻撃力が求められ、4バックのSBには対人守備や背後のカバーも強く求められます。両方に適応できる選手は、代表の選考で強みを持ちます。
Q5:日本代表サイドバックは本当に人材難なのでしょうか? A5:候補者がいないというより、攻撃と守備の両面で高い水準を保ち、3バックと4バックの双方に対応できる選手層をどう厚くするかが課題です。Jリーグ組と欧州組を同じ基準で比較し、代表で与えられた役割や実戦での内容を見ることが重要です。
まとめ:今後の日本代表サイドバック争いを見極める基準
2026年10月現在、日本代表のサイドバック争いは、右SBの中野就斗、左SBの鈴木淳之介が直近の4バックで先発したことを出発点に、新たな競争へと進んでいる。菅原由勢ら欧州組の動向、伊藤洋輝の複数ポジションへの対応力、若手候補の成長も、今後の選考を左右する要素だ。
伊東純也の右SB起用は、攻撃の幅を広げるための戦術的な試みとして注目された。ただし、一度の起用を固定的な序列と同一視するべきではない。3バックと4バックで役割が変わる以上、選手の評価もシステムや試合展開に応じて変化する。
今後のスタメン争いで見るべきなのは、所属クラブの知名度や攻撃の派手さだけではなく、代表の戦術にどこまで適応できるかという点だ。守備の安定、攻撃参加の質、切り替えの速さ、複数ポジションへの対応力。この四つを基準に試合を追えば、次の日本代表を支えるサイドバックが誰なのか、より立体的に見えてくる。 (出典: 日本 代表 サイド バック(Yahoo!ニュース))