「いまなみ厩務員」として競馬ファンに親しまれてきた今浪隆利氏。ゴールドシップやソダシの担当厩務員として知られ、レッドリヴェールを含む担当馬でJRA・GⅠ10勝を挙げた、競馬界を代表する名物スタッフの一人だ。
2023年6月末に約46年間にわたるJRA厩務員生活に区切りをつけた今浪氏だが、競馬との縁が完全に切れたわけではない。2025年にはヘルパー厩務員として現場に復帰したことが報じられ、2026年9月の競馬報道では、ゴールドシップの産駒メイショウタバルに関する特別手記も紹介された。現在68歳となった今浪氏は、どのような形で競馬に携わっているのか。輝かしい経歴、退職理由、名馬たちとの関係を時系列で整理する。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 現在の活動:2025年にヘルパー厩務員として現場復帰。2026年9月の報道でも、不定期ながら補充員として働いていることが伝えられた。
- 主な実績:ゴールドシップ、レッドリヴェール、ソダシを担当し、JRA・GⅠ計10勝に貢献した。
- 退職の理由:2023年6月末、腰痛や指先のリウマチなど身体への負担を考慮し、65歳の定年を前倒しして退職した。
【2026年最新】今浪隆利の現在は?ヘルパー厩務員として現場復帰
2026年10月現在、今浪隆利氏は68歳。1958年9月20日生まれで、2023年に須貝尚介厩舎を退職した後も、競馬の現場とのつながりを保っている。
転機となったのは2025年初頭だ。スポニチ競馬Webが2025年6月に掲載した記事によると、今浪氏は2023年の早期退職後、同年末までの休養期間を経て、2025年の年明けからヘルパー厩務員として現場に復帰した。以前所属していた須貝尚介厩舎ではなく、別の厩舎で補充員として働く形だ。
ヘルパー厩務員とは、厩舎の業務を補うために、必要に応じて馬の世話などを担当するスタッフを指す。厩舎の人員体制や業務状況に応じて役割を担うため、従来のように一頭の担当馬を継続して受け持つ働き方とは異なる場合がある。
2026年9月29日付のスポニチ競馬Webの特別手記でも、今浪氏は不定期ながらヘルパー厩務員を務めていると紹介された。つまり、2023年の退職は競馬界からの完全な引退を意味していたわけではない。長年培った経験を生かしながら、現在も馬と接する機会を持っている。
一方で、現役時代と同じ勤務形態に戻ったと考えるのは正確ではない。現在の勤務日数や担当する馬、具体的な勤務先の詳細については、報道で明らかになっている範囲を超えて断定できない。確認できるのは、定年を前倒しして退職した後、ヘルパーという形で現場復帰を果たしたことだ。
【経歴・年表】15歳で競馬界へ、須貝尚介厩舎で名馬を担当
今浪氏の競馬人生は、10代半ばから始まった。日刊スポーツが2023年に掲載した手記連載「今なお夢の中」などによると、福岡県北九州市で生まれ育った今浪氏は、15歳で高校を中退し、名古屋競馬の騎手候補生となった。その後、北海道の優駿牧場での勤務を経て、1977年にJRAの厩務員となっている。
栗東トレーニングセンターでは、内藤繁春厩舎、中尾正厩舎などで経験を積んだ。1986年には担当馬シングルロマンが京阪杯を制し、重賞初勝利を経験。2009年からは、開業した須貝尚介厩舎のスタッフとして、数々の名馬を担当することになる。
主な経歴を時系列で整理すると、次のとおりだ。
| 時期 | 出来事・所属 | 主な実績・備考 |
|---|---|---|
| 1958年9月20日 | 福岡県北九州市で誕生 | 2026年10月時点で68歳 |
| 1973年ごろ | 15歳で名古屋競馬の騎手候補生に | 競馬界でのキャリアが始まる |
| 1977年 | JRA厩務員となる | 北海道の優駿牧場勤務などを経て栗東へ |
| 1986年 | シングルロマンを担当 | 京阪杯を制し、重賞初勝利 |
| 2009年 | 須貝尚介厩舎へ | ゴールドシップなどの担当として活躍 |
| 2023年6月30日 | トレセンでの最終勤務 | 65歳の定年を前倒しして退職 |
| 2023年7月20日 | 正式に退職 | 有給休暇の消化を終え、厩務員生活に区切り |
| 2025年初頭 | ヘルパー厩務員として現場復帰 | 別の厩舎で補充員として勤務 |
| 2026年9月 | メイショウタバルに関する特別手記が掲載 | ゴールドシップの元担当者として産駒への思いを語る |
注目したいのは、長いキャリアのなかで、厩舎の移籍や担当馬との出会いを重ねながら、着実に経験を積み上げてきた点だ。名馬を一頭担当しただけで評価が決まったわけではない。複数の厩舎で培った経験が、後年のGⅠ馬担当につながっていった。
また、今浪氏は調教師や騎手とは異なる立場で競馬の歴史に名を残した。調教師が管理方針を決め、騎手がレースで手綱を取る一方、厩務員は馬の日常的な世話や健康状態の把握を担う。表舞台に立つ機会が限られる仕事だからこそ、担当馬の活躍を通じて名前が知られるようになったことには、大きな意味がある。
【JRA・GⅠ10勝】ゴールドシップ、ソダシ、レッドリヴェールの実績
今浪隆利氏を語るうえで欠かせないのが、担当馬によるJRA・GⅠ計10勝という実績だ。日刊スポーツやスポニチ競馬Webの人物紹介でも、ゴールドシップ、レッドリヴェール、ソダシの3頭が代表的な担当馬として挙げられている。
内訳は、ゴールドシップがGⅠ6勝、レッドリヴェールがGⅠ1勝、ソダシがGⅠ3勝。合計すると10勝になる。今浪氏個人がレースで勝利したという意味ではなく、担当厩務員として日々の管理を支えた馬たちが達成した記録である。
ゴールドシップ:今浪氏の名を広く知らしめた存在
ゴールドシップは、2012年の皐月賞、菊花賞、有馬記念、2013年と2014年の宝塚記念、2015年の天皇賞・春など、JRA・GⅠ6勝を挙げた芦毛の名馬だ。
一方で、気性の難しさや予測のつかない振る舞いでも知られた。今浪氏は、そうした個性の強い馬を日常的に世話し、調教やレースに向かう生活を支えた。2013年以降、ゴールドシップとともに歩んだ経験は、今浪氏の名前が競馬ファンに広く知られるきっかけになった。
2014年にはゴールドシップとともにフランスの凱旋門賞にも挑戦している。結果は14着だったが、国内のGⅠ戦線だけでなく、世界最高峰のレースを目指す馬の管理に携わった経験も、キャリアを象徴する出来事の一つだ。
レッドリヴェール:阪神ジュベナイルフィリーズ制覇
レッドリヴェールは、2013年の阪神ジュベナイルフィリーズを制した牝馬だ。ゴールドシップのような古馬の大物とは異なり、2歳時から高い能力を示した馬で、今浪氏の担当馬によるGⅠ勝利の一つを担った。
ゴールドシップとソダシの印象が強いことから、今浪氏の実績がこの2頭だけに限られるように見える場合もある。しかし、レッドリヴェールもJRA・GⅠ10勝の内訳に含まれている。複数の世代、異なる個性の馬を担当して結果を残した点は、経歴を理解するうえで見落とせない。
ソダシ:白毛のスターと歩んだ最後の現役時代
ソダシは、白毛の競走馬として大きな注目を集めた存在だ。2020年の阪神ジュベナイルフィリーズ、2021年の桜花賞、2022年のヴィクトリアマイルを制し、GⅠ3勝を挙げた。
今浪氏は2020年夏のデビューからソダシを担当した。2023年6月4日の安田記念が、今浪氏にとってソダシとともに臨む最後のレースとなった。ソダシは7着に終わったが、今浪氏は同馬の成長を見守り、競走馬としての歩みを支えてきた。
2023年10月にソダシの引退と繁殖入りが発表された際には、今浪氏が愛馬への感謝をSNSで伝えたことも報じられている。競走生活を終えた馬のその後にも関心を寄せる姿勢は、担当馬との関係がレースの結果だけで完結するものではないことを示している。
【退職理由】2023年に65歳を前に引退した背景
今浪氏が須貝尚介厩舎を退職したのは、2023年6月末だ。1958年9月20日生まれの今浪氏は、同年9月に65歳を迎える予定だった。定年まで勤務を続ける選択肢もあったが、体調を考慮し、家族と相談したうえで退職時期を前倒しした。
日刊スポーツの2023年5月29日付報道では、今浪氏が腰痛に加え、指先のリウマチにも悩まされていたことが伝えられている。痛み止めを服用しながら仕事をする日もあり、長年の勤務による身体への負担が大きくなっていた。
厩務員の仕事は、馬房の清掃、馬の手入れ、飼い葉の管理、馬の引き運動など、日常的に身体を使う作業が多い。競走馬は大きな力を持つ動物であり、安全に世話を続けるには、体調や動作を適切に管理することも欠かせない。長く現場で働いてきたベテランであっても、身体への負担は避けられない。
同年6月30日、今浪氏は栗東トレーニングセンターで最後の勤務を終えた。その後は有給休暇を消化し、7月20日に正式退職となった。日刊スポーツの退職当日の記事では、本人が自宅で過ごす日々について語り、厩舎に入れなくなることへの感慨も明かしている。
ここで区別しておきたいのが、2021年の桜花賞前に起きた出来事だ。日刊スポーツの手記連載「今なお夢の中」では、ソダシの桜花賞前に両足に激しい痛みが出て、退職を考えたものの、家族の励ましを受けて仕事を続けた経験が紹介されている。
つまり、2021年に一度退職を考えたことと、2023年に実際に退職したことは別の出来事だ。2023年の退職について報じられた主な背景は、定年を前にした体調面の事情と家族との相談である。報道からは、懲戒や不祥事による退職ではなく、長年の仕事に区切りをつける判断だったことが読み取れる。
今浪氏は2023年6月30日の最終勤務日に、長年の競馬人生を振り返り、担当馬を任せてくれた須貝調教師や周囲のスタッフへの感謝を口にした。数々の勝利は一人の力だけで成し遂げられたものではなく、厩舎全体の支えがあってこそだったという認識が、本人の言葉にも表れている。
【担当厩務員の仕事とは】「名馬を世話する人」が担う役割
今浪氏の経歴を理解するには、厩務員という職業そのものにも目を向けたい。競馬のニュースでは騎手や調教師が大きく取り上げられやすいが、競走馬がレースに出走するまでには、毎日の世話を担当する厩務員の仕事が欠かせない。
厩務員は、馬の食事や手入れ、馬房の環境管理、日常的な運動の補助などを通じて、馬の健康状態を継続的に把握する。食欲や歩き方、表情など、普段の様子を知っているからこそ気づける変化もある。異変があれば厩舎の関係者と情報を共有し、適切な対応につなげることも重要だ。
ゴールドシップやソダシのような人気馬の場合、ファンの期待やメディアの注目も大きい。しかし、馬の管理において最優先されるのは、人気や勝敗だけではなく、日々の健康と安全である。GⅠで勝つことは華やかな成果だが、その前提には、日々の地道な仕事が積み重なっている。
今浪氏が注目された理由は、担当馬の勝利数だけではない。ゴールドシップの個性的な振る舞いを含め、馬の性格を理解しながら向き合う姿が、競馬ファンの記憶に残った。名馬の活躍を支えた人物として、馬自身と同じようにファンから親しまれる存在になったのだ。
この点は、厩務員の実績を評価する際にも重要だ。GⅠ勝利数は分かりやすい指標だが、それだけで仕事のすべてを測ることはできない。多くの馬を無事にレースへ送り出すこと、健康状態を保つこと、日常の小さな変化を見逃さないことも、厩務員の専門性を構成する大切な要素である。
【2026年の注目点】メイショウタバルに託されたゴールドシップの夢
2026年の今浪氏を語るうえでは、ゴールドシップの産駒メイショウタバルも外せない存在だ。メイショウタバルは父ゴールドシップの血を受け継ぐ競走馬で、2026年には宝塚記念を連覇し、フランスの凱旋門賞にも挑戦した。
スポニチ競馬Webは2026年9月29日、ゴールドシップの元担当厩務員である今浪氏による特別手記を掲載した。手記では、ゴールドシップが2014年の凱旋門賞で14着に終わった経験を振り返りながら、その産駒であるメイショウタバルへの期待を語っている。長年担当した馬の血を引く次世代の競走馬を応援することは、今浪氏にとって競馬人生の新たな楽しみになっているようだ。
ただし、メイショウタバル自身を今浪氏が担当していたわけではない。今浪氏が担当したのは父ゴールドシップであり、メイショウタバルはその産駒として注目している馬だ。この違いを押さえることで、今浪氏と同馬の関係を正確に理解できる。
メイショウタバルの2026年凱旋門賞は10月4日に行われ、JRA公式のレース結果によると14着だった。父ゴールドシップが挑戦した2014年の凱旋門賞と同様、今回も勝利には届かなかった。それでも、今浪氏が元担当馬の産駒に思いを寄せ、競馬の次の世代を見守っていることは、長いキャリアの延長線上にある出来事だ。
2023年の退職時、今浪氏は、担当馬の産駒が活躍することへの期待を語っていた。2026年のメイショウタバルをめぐる報道は、その思いが今も続いていることを伝えている。競走馬の現役生活は数年で終わることが多い一方、血統を通じた物語は次の世代へ受け継がれていく。今浪氏の競馬人生も、そうした継承を見守る段階に入っている。
【いまなみ厩務員】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:今浪隆利氏は2026年現在、何歳ですか?
A1:1958年9月20日生まれで、2026年10月時点では68歳です。2023年6月末に須貝尚介厩舎を退職しましたが、2025年にはヘルパー厩務員として現場復帰したことが報じられています。
Q2:今浪隆利氏の退職理由は何ですか?
A2:2023年の退職については、腰痛や指先のリウマチなど身体への負担を考慮し、65歳の定年を前倒ししたことが報じられています。家族とも相談したうえでの判断であり、不祥事による退職とする報道は確認されていません。
Q3:今浪隆利氏はゴールドシップとソダシの両方を担当していたのですか?
A3:はい。ゴールドシップとソダシのほか、レッドリヴェールも担当しました。これらの担当馬によるJRA・GⅠ勝利数は合計10勝で、内訳はゴールドシップ6勝、レッドリヴェール1勝、ソダシ3勝です。
Q4:ヘルパー厩務員とは何ですか?
A4:厩舎の業務を補うため、必要に応じて馬の世話などを担当するスタッフです。今浪氏は2025年初頭に別の厩舎でヘルパー厩務員として現場復帰し、2026年9月の報道でも不定期ながら勤務していると紹介されました。
Q5:今浪隆利氏とメイショウタバルにはどのような関係がありますか?
A5:メイショウタバルは、今浪氏が担当していたゴールドシップの産駒です。今浪氏がメイショウタバル自身の担当厩務員だったわけではありませんが、父馬を長く世話した経験から、その産駒の活躍にも期待を寄せています。
Q6:「今なお夢の中」とは何ですか?
A6:日刊スポーツが2023年に掲載した、今浪隆利氏の競馬人生を振り返る手記連載です。ソダシやゴールドシップとの思い出、厩務員になるまでの経歴、退職をめぐる経験などが紹介されています。
まとめ:今浪隆利の現在と名馬から受け継がれる夢
今浪隆利氏は、15歳で競馬界に入り、1977年にJRA厩務員となってから約46年間、競走馬の世話に携わってきた人物だ。ゴールドシップ、レッドリヴェール、ソダシという名馬を担当し、JRA・GⅠ10勝を支えた実績は、その長いキャリアを象徴している。
2023年の退職は、腰痛や指先のリウマチなど身体への負担を考慮した、定年前倒しの決断だった。しかし、2025年にはヘルパー厩務員として現場に復帰し、2026年の報道でも競馬とのつながりを保っていることが伝えられた。
今浪氏の歩みから見えてくるのは、競馬の仕事がGⅠを勝った瞬間だけで完結するものではないということだ。日々の世話を通じて馬と向き合い、現役を終えた後も、その産駒や次の世代を見守る。ゴールドシップからメイショウタバルへと続く物語は、今浪氏が長年の仕事を通じて得た喜びの一端でもある。
「いまなみ厩務員」の現在を知るうえで大切なのは、2023年の退職だけに注目するのではなく、その後の現場復帰や名馬たちとの継続的なつながりまで見ることだ。厩務員としての第一線を退いた今も、今浪氏の競馬人生には、次の世代を応援するという新しい役割が続いている。 (出典: い まなみ 厩 務 員(Yahoo!ニュース))