大相撲の取組で勝った力士が、行司から分厚い懸賞袋を受け取る場面。テレビ中継でもおなじみの光景ですが、懸賞金は1本いくらで、勝った力士の手元には実際にいくら残るのでしょうか。
日本相撲協会の公式案内によると、懸賞金は1本7万円(税込)。このうち1万円が協会の手数料に充てられ、残る6万円が勝った力士の獲得分です。ただし、2025年5月の大相撲夏場所から現金支給の方法が変わり、土俵上で受け取る現金は1本1万円になりました。残額の一部は口座振込となり、納税充当金も別途預けられています。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:懸賞金は1本7万円。協会の手数料1万円を差し引いた6万円が勝った力士の獲得分。
- 要点2:2025年5月から土俵上の現金は1万円に変更。残りの2万円は口座振込、3万円は納税充当金として預けられる仕組み。
- 要点3:2026年9月場所では大の里が懸賞698本を獲得。懸賞金の力士取り分は合計4,188万円に達した。
【相撲懸賞金】1本7万円の内訳と力士の手取りを徹底解説
相撲懸賞金の基本額は、2026年10月時点で1本7万円(税込)です。日本相撲協会が公表する「懸賞について」では、懸賞金のうち勝った力士の獲得金額を6万円、手数料を1万円と定めています。この金額は、2019年9月場所から適用されているものです。
ここで注意したいのが、「企業が支払う金額」「力士の獲得分」「その場で受け取る現金」は、それぞれ異なるという点です。懸賞金が7万円だからといって、勝った力士がそのまま7万円を受け取るわけではありません。
1本7万円のうち、協会の手数料が1万円、力士の獲得分が6万円というのが基本構造です。手数料には、取組表への提供者名の掲載や場内放送に関する費用が含まれます。
なお、力士の獲得分6万円も、税金などをすべて精算した後の最終的な手取り額という意味ではありません。2025年5月以降は支給方法も変わっているため、実際に手元に入る現金と、口座への振込分、協会が預かる納税充当金を分けて理解する必要があります。
【2025年5月に変更】懸賞金の現金支給が1万円になった理由
懸賞金の受取方法が変更されたのは、2025年5月11日に初日を迎えた大相撲夏場所からです。それまで懸賞袋に入っていた現金は1本につき3万円でしたが、変更後は1万円になりました。
2025年5月9日の日刊スポーツや北國新聞の報道によると、変更の大きな理由は多額の現金を持ち歩くことによる盗難リスクなど、セキュリティー面への配慮です。十両以上の力士で構成される力士会から、大量の現金を所持することへの懸念が示され、一部ではキャッシュレス化も提案されていたと報じられています。
懸賞本数が多い取組では、勝った力士が一度に数十本分の懸賞金を受け取ります。従来の方式では、50本を獲得すると土俵上で受け取る現金だけで150万円に達していました。懸賞金の増加に伴い、協会側が現金を準備・管理する負担も大きくなっていたのです。
今回の変更では、力士の獲得分そのものが6万円から1万円に減額されたわけではありません。土俵上で渡す現金を減らし、残額の一部を口座振込に切り替えることで、現金の持ち歩きと管理の負担を軽減する仕組みです。
つまり、見た目の懸賞袋が以前より薄くなっても、それだけで力士の獲得額が減ったと判断することはできません。変更されたのは、基本的に支給方法です。
【2026年最新】現金・口座振込・納税充当金はいくら?
2026年時点の懸賞金の受取方法を、1本あたりの金額で整理すると次のようになります。2025年5月の変更について伝えた報道と、日本相撲協会が公表する懸賞金の基本額を組み合わせたものです。
| 項目 | 金額(1本あたり) | 内容 |
|---|---|---|
| 企業・団体が支払う懸賞料 | 7万円 | 懸賞金の総額(税込) |
| 日本相撲協会の手数料 | 1万円 | 取組表掲載料・場内放送料など |
| 勝った力士の獲得分 | 6万円 | 懸賞料から手数料を差し引いた額 |
| 土俵上で受け取る現金 | 1万円 | 勝ち名乗りの際に懸賞袋で受け取る額 |
| 口座振込分 | 2万円 | 現金支給の変更に伴う振込分 |
| 納税充当金 | 3万円 | 協会が獲得者本人名義の預り金として管理する額 |
表の下半分にある現金1万円、口座振込2万円、納税充当金3万円は、力士の獲得分6万円の配分です。協会の手数料1万円は、これとは別に懸賞料7万円から差し引かれます。
日本相撲協会の公式「大相撲クイズ」では、従来の仕組みについて、1本につき3万円を土俵上で現金支給し、3万円を納税充当金として本人名義の預り金にすることが説明されていました。2025年5月以降は、報道によると現金3万円が1万円に減り、差額の2万円が銀行口座への振込となっています。
ここで押さえておきたいのは、土俵上で受け取る現金は1万円でも、力士の獲得分は6万円という点です。ただし、納税充当金の3万円は自由に使える現金と同じではありません。預り金の扱いや引き出し、精算の条件については、実際の運用に従います。
なお、力士が50本の懸賞を獲得した場合、獲得分の合計は300万円です。その内訳を同じ方式で計算すると、土俵上の現金50万円、口座振込分100万円、納税充当金150万円となります。協会の手数料は別途50万円で、企業・団体の支払総額は350万円です。
【歴代記録】大の里の懸賞金獲得額は2026年にいくらになった?
2026年の懸賞金をめぐる大きな話題が、横綱・大の里の獲得本数です。2026年9月場所では、15日間で懸賞698本、力士の獲得分は合計4,188万円に達しました。1本あたり6万円で計算した金額で、1場所における個人の懸賞獲得本数・金額として、従来の記録を更新する結果となりました。
この数字を理解するうえで重要なのが、2025年秋場所との比較です。大の里は2025年秋場所に懸賞519本を獲得し、力士の取り分は3,114万円でした。それまで金額面で上回っていたのは、2015年初場所に白鵬が記録した約3,090万円です。
白鵬の記録は懸賞545本と、本数では当時の大の里を上回っていました。しかし、当時は1本あたりの力士の獲得分が現在より少なく、1本6万2,000円の懸賞料から5万6,700円が力士の取り分でした。そのため、本数と金額のランキングは必ずしも一致しません。
2026年9月場所の大の里については、懸賞金以外の収入も報じられています。2026年10月2日のマネーポストWEBの記事では、懸賞金4,188万円に加え、幕内最高優勝の賞金1,000万円、給料、報奨金、本場所特別手当などを合算し、1場所で5,612万円に達したと試算しています。
ここで混同してはいけないのが、4,188万円は懸賞金の力士取り分、5,612万円は懸賞金以外の収入も加えた試算だという違いです。5,612万円すべてを懸賞金だけで獲得したわけではありません。また、いずれも税金などを精算した後の最終的な可処分所得を意味する数字ではありません。
懸賞本数は、力士の人気だけでなく、スポンサーがどの取組に懸賞をかけるか、出場状況や取組結果がどうなるかによっても変わります。大の里の記録は、人気と実際の勝利が重なったとき、懸賞金が大きな金額に達することを示しています。
【企業負担額と申し込み方法】懸賞旗を出すにはいくら必要?
懸賞金は、企業や団体が特定の幕内取組に提供する広告・協賛の仕組みでもあります。日本相撲協会の公式案内によると、懸賞を出すと、提供者名を盛り込んだ原稿が会場の入場者に配られる取組表に掲載され、取組直前には場内放送で読み上げられます。さらに、呼出しが土俵上で懸賞旗を掲げるため、観客やテレビ視聴者への訴求にもつながります。
基本料金は1本7万円(税込)です。公式案内では、1場所15日間に15本を申し込む場合、合計105万円(税込)となっています。申込みは1日1本以上、1場所15本以上が基本で、追加分は1本から受け付けています。
ただし、105万円ですべての準備が完了するとは限りません。懸賞旗は提供者側で制作し、持ち込む必要があります。日本相撲協会が公表する旗の寸法は横70cm、縦120cm。土俵上で掲げるため、デザインには一定の制限も設けられています。旗の制作費は別途考える必要があり、デザインや発注先によって異なります。
申し込みを検討する企業・団体は、日本相撲協会の懸賞係に問い合わせ、申込条件、提供者名の原稿、懸賞旗の仕様、入金手続きなどを確認するのが基本です。公式案内では、提供者名の原稿は活字15文字以内とされています。
企業負担額を考えるときは、懸賞料だけでなく、旗の制作費や準備にかかる時間も含めて予算を組むことが大切です。特定の力士を応援する目的なのか、企業名の認知を高める広告施策なのかによって、出稿する取組や本数の考え方も変わってきます。
【相撲懸賞金の税金】6万円がそのまま自由に使えるわけではない
懸賞金の話題では「力士の手取りは6万円」と説明されることがありますが、この言葉は文脈によって意味が異なります。日本相撲協会が公表する6万円は、懸賞料7万円から協会の手数料1万円を引いた力士の獲得分です。税金などをすべて精算した後の最終的な手取り額と同じ意味ではありません。
協会が預かる納税充当金3万円は、税金に充てるための預り金です。これは1本あたりの最終的な税額が3万円に確定しているという意味ではありません。懸賞金の獲得額が多い力士ほど、年間の収入や必要経費などを踏まえた税務管理が重要になります。
国税庁は、一般的な懸賞や福引きの賞金品を一時所得の例として挙げる一方、「業務に関して受けるもの」は一時所得から除外しています。力士が取組で得る懸賞金は、職業としての力士活動に伴う収入であるため、一般の人が懸賞に当選した場合と単純に同じ扱いだと考えることはできません。
税金を考える際には、懸賞金の額面だけでなく、所得区分、必要経費、ほかの収入、実際に納める税額などを分けて見る必要があります。外部から一律に「懸賞金の何%が税金になる」と計算することはできず、個別の最終税額はその力士の状況によって異なります。
つまり、懸賞金の金額を比較するときには、協会の手数料を引いた獲得分、土俵上で受け取る現金、口座への振込分、納税充当金、最終的な税引き後の金額を混同しないことが大切です。
【プロの結論】相撲懸賞金は「額面・獲得分・現金・税金」を分けて見る
相撲懸賞金の仕組みで最も誤解されやすいのは、「1本7万円なら、勝った力士は7万円を受け取る」「現金袋が1万円になったから、獲得額も1万円になった」という2つの考え方です。どちらも正確ではありません。
2026年時点の基本額は1本7万円で、協会の手数料1万円を除いた6万円が力士の獲得分です。そのうち、土俵上で受け取る現金は1万円、口座振込分は2万円、納税充当金として預けられる額は3万円という内訳になっています。
また、記録を比較する際には、懸賞本数と金額を別々に確認する必要があります。大の里が2026年9月場所に獲得した698本は、1本6万円で計算すると4,188万円です。一方、5,612万円という数字は給料や優勝賞金などを含めた試算であり、懸賞金単独の額ではありません。
企業側にとっては、懸賞は広告・協賛の機会です。最低申込額の目安は1場所15本で105万円ですが、懸賞旗の制作費なども考慮しなければなりません。力士側の獲得額だけでなく、協会の手数料、スポンサーの負担額、現金支給の方法まで把握すると、懸賞をめぐるお金の流れが見えてきます。
【相撲懸賞金】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:相撲の懸賞金は1本いくらですか?
A1:2026年時点では1本7万円(税込)です。日本相撲協会の手数料1万円を差し引いた6万円が勝った力士の獲得分となります。
Q2:勝った力士が土俵上で受け取る現金はいくらですか?
A2:2025年5月の夏場所から、懸賞袋に入る現金は1本1万円に変更されました。報道によると、残る獲得分5万円のうち2万円は口座振込、3万円は納税充当金として預けられます。
Q3:大の里が2026年9月場所に獲得した懸賞金はいくらですか?
A3:懸賞698本を獲得し、1本あたり6万円で計算すると合計4,188万円です。給料、報奨金、優勝賞金などを加えた5,612万円という試算とは区別する必要があります。
まとめ:2026年の相撲懸賞金を正しく理解するために
相撲懸賞金は1本7万円。協会の手数料1万円を差し引いた6万円が力士の獲得分で、2025年5月からは現金1万円、口座振込2万円、納税充当金3万円という配分に変わりました。現金支給の変更は、力士の獲得分を減らすためではなく、多額の現金を持ち歩くリスクや管理負担を軽減するためのものです。
2026年9月場所では大の里が懸賞698本を獲得し、懸賞金の力士取り分は4,188万円に達しました。1場所で5,612万円という報道上の試算は、懸賞金以外の収入も含めた数字です。
懸賞金のニュースを読む際は、額面7万円、力士の獲得分6万円、土俵上の現金1万円を区別し、さらに口座振込や納税充当金、税引き後の所得を分けて考えることが重要です。今後も懸賞本数や記録を追うときは、単純な獲得本数だけでなく、1本あたりの金額と支給方法の違いにも注目すると、大相撲の経済的な側面をより正確に理解できます。 (出典: 相撲 懸賞 金(Yahoo!ニュース))